鉄道・公共交通の維持

利用者減・運転手不足・2024年問題が重なり、広大な北海道で生活交通の維持が困難になっている。

コミュニティ 全道道北十勝釧路根室
取組 5 道外 2 出典 9

現状

人口減・高齢化による利用者減と運転手の人手不足、物流2024年問題が同時進行。道は交通政策総合指針 重点戦略【2026-2030】を策定中。並行在来線・赤字路線の存廃が各地で論点。

解釈の論点

「路線を残すか」の二択ではなく、自動運転・デマンド交通・貨客混載といったサービス転換で持続性を確保する方向。広域分散の北海道はその実験適地。

数字でみる

  • 2024年6月 ・ 札幌圏で日本版ライドシェア開始
  • 28社 ・ 札幌圏ライドシェア参画タクシー事業者
  • 2021年 ・ 上士幌町・全国初の雪道自動運転運行実証
  • 147億円 ・ JR北海道「黄線区」の赤字額(2024年度)
  • 約30%減 ・ 札幌市内の路線バス便数(1万超→約7,150便/日)
  • 2026年4月 ・ 留萌線が全線廃止

構造を深掘る

なぜ維持が難しいか(構造)

広域低密度の北海道では、鉄道・路線バスのような「線」の交通は固定費が重く、利用者減→減便→さらに利用減という縮小スパイラルに入りやすい。そこに運転手不足と物流2024年問題が重なり、人の移動とモノの輸送が同時に細っている。

論点

「路線を残すか廃止するか」の二択で議論すると消耗する。実際に進んでいるのは輸送の単位の組み替えで、基幹路線に集約して本数を確保し、端部はデマンド・個別輸送で補完する。人とモノを同じ車両で運ぶ貨客混載もこの文脈にある。

取り組みを読む視点

十勝バスは人口減少局面に合わせ、路線網を「面」から「線」に集約する発想を打ち出している。上士幌町は公共ライドシェアに郵便局の荷物を載せ、高齢者の足と物流を一つの仕組みで支える。どちらも「維持」ではなく「再設計」である点が共通する。

効きそうな打ち手

基幹集約+デマンド補完

路線網を「面」から「線」に集約して本数を確保し、端部はデマンド・個別輸送で受ける(十勝バスの集約型)

貨客混載

人の移動とモノの輸送を同じ車両に載せ、細る需要を束ねて採算ラインに乗せる(上士幌×郵便局)

自動運転・ライドシェアの制度活用

運転手不足を前提に、新制度を広域低密度地域の実装で先行させる

参考文献

道内の取組事例
全国初の雪道自動運転運行実証(2021)を経て自動運転バス定期運行。公共ライドシェア×郵便局の貨客混載実証で「人」と「モノ」を同時輸送 十勝
上士幌町
生活MaaSを推進。人口減少局面に合わせ、路線を基幹に集約しデマンド・個別輸送で補完する「集約型」の交通×まちづくり。旅客と物流の融合も 十勝
十勝バス(民間)
日本版ライドシェア(2024年6月開始)。タクシー不足の時間帯に一般ドライバーが有償運送、車両・時間帯を順次拡大 道央
札幌圏のタクシー事業者28社
路線バス運転手の外国人材受入れに向けた制度構築の協定締結(2025) 道央
札幌市ほか
攻めの廃線によるデマンド交通への転換。財政再建下で最低限の移動手段を確保し、住民による地域交通維持活動が全国過疎地域連盟会長賞を受賞 道央
夕張市
道外の取組事例
わたしたちにできること
  • 個人として ・ 鉄道・公共交通を積極的に利用する
  • 個人として ・ 廃線議論のある地域を訪れて実態を見る
  • 個人として ・ 地域メディア・SNS で公共交通の現状を発信
  • 企業・組織として ・ 出張・通勤での公共交通利用推進
  • 企業・組織として ・ 鉄道・バス事業者との連携・CSR
  • 企業・組織として ・ 地域交通計画・議論への参加
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