ひとり親家庭の制度利用と、 利用しなかった理由 ( 札幌市を除く道内 )
児童扶養手当を受給する母子世帯で、生活保護を利用したことがあるのは13.3%。利用しなかった理由に「利用するのに抵抗感があった」12.3%が並び、子どもの生活実態調査の低所得層Ⅰ ( 5.0% ) の2倍を超える。回答1,856世帯・回収率42.7%。
数値の概略
北海道が北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センターに委託して2022年8月に実施した調査。児童扶養手当を受給しているひとり親家庭から、札幌市を除く全道のひとり親世帯の12%を抽出した。調査票配布4,347、回収1,856、回収率42.7%。
北海道のひとり親を対象とした調査は1994年から数えて6回目にあたる。2017年調査から北海道と北海道大学の共同実施。
回答世帯の内訳 ( サンプル数 )
| 世帯類型 | サンプル数 |
|---|---|
| 母子世帯 | 1,441 |
| 母子+祖父母世帯 | 218 |
| 父子世帯 | 120 |
| 父子+祖父母世帯 | 29 |
生活保護の利用経験と、利用したことがない理由 ( % )
| 世帯類型 | 利用したことがある・利用している | 利用する必要がなかった | 条件を満たしていなかった | 制度が使いづらかった | 利用するのに抵抗感があった | 制度をまったく知らなかった | 無回答 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 母子世帯 | 13.3 | 55.4 | 6.4 | 3.0 | 12.3 | 4.6 | 5.0 |
| 母子+祖父母世帯 | 9.6 | 60.6 | 6.0 | 1.8 | 7.8 | 8.7 | 5.5 |
| 父子世帯 | 6.7 | 70.0 | 3.3 | 2.5 | 3.3 | 9.2 | 5.0 |
| 父子+祖父母世帯 | 0.0 | 55.2 | 6.9 | 3.4 | 3.4 | 13.8 | 17.2 |
母子生活支援施設の利用経験と、利用したことがない理由 ( % )
| 世帯類型 | 利用したことがある | 必要がなかった | 条件を満たさず | 使いづらかった | 抵抗感があった | まったく知らなかった | 無回答 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 母子世帯 | 1.0 | 56.8 | 0.3 | 1.2 | 3.7 | 30.9 | 6.0 |
| 母子+祖父母世帯 | 0.5 | 61.0 | 1.4 | 0.5 | 1.8 | 28.9 | 6.0 |
| 父子世帯 | 2.5 | 67.5 | 0.0 | 1.7 | 2.5 | 18.3 | 7.5 |
生活福祉資金 ( 特例貸付を含む ) の利用経験 ( % )
| 世帯類型 | 利用したことがある | 必要がなかった | 条件を満たさず | 使いづらかった | 抵抗感があった | まったく知らなかった | 無回答 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 母子世帯 | 5.3 | 48.4 | 2.2 | 3.9 | 4.0 | 29.5 | 6.7 |
| 母子+祖父母世帯 | 4.1 | 50.0 | 3.7 | 3.7 | 2.3 | 28.9 | 7.3 |
| 父子世帯 | 0.8 | 59.2 | 1.7 | 0.8 | 2.5 | 30.0 | 5.0 |
機関や相談員への相談について ( 報告書の記述 )
ひとり親家庭に関わる8つの公的な機関や相談員について、相談したことがある世帯の割合が高いのは公共職業安定所 ( ハローワーク ) で、母子世帯と母子+祖父母世帯で4割程度。それ以外は1割以下にとどまる。相談したことがない理由は「相談する必要がなかった」が全体的に多く、次いで「相談先や方法を知らなかった」が多い。「相談先や方法を知らなかった」は 養育費相談支援センターと母子・父子自立支援員の順で多い。
読みどころ
- 児童扶養手当を受給している ―― つまり ひとり親であることが行政に把握されている ―― 世帯であっても、生活保護を利用したことがあるのは母子世帯で13.3%にとどまる。
- 利用しなかった理由のうち「利用するのに抵抗感があった」が母子世帯で12.3%。同じ研究班が実施した子どもの生活実態調査では、生活保護基準相当の低所得層Ⅰで5.0%だった。より困窮の度合いが明確な層のほうが、抵抗感の比率が高い。
- 母子生活支援施設と生活福祉資金では「制度をまったく知らなかった」が母子世帯で30.9%と29.5%。制度の存在自体が届いていない割合が3割前後にのぼる。
- 父子世帯は「必要がなかった」の比率が母子世帯より高く、生活保護で70.0%。サンプル数が120と少ない点に留意が要る。
この数字の範囲
- 対象は児童扶養手当を受給しているひとり親家庭に限られる。手当を受給していないひとり親家庭は含まない。2014年までの調査は民生児童委員が担当地域から抽出しており、受給の有無を問わなかった。この違いにより過去調査との単純な比較はできない。
- 札幌市は対象に含まれない。
- 回収率42.7%。2017年調査までは民生児童委員による訪問や現況届提出時の回収だったが、今回は郵送による返送で、回収方法が異なる。
- 父子+祖父母世帯はサンプル数29で、割合の変動が大きい。
- 表7-1 ( 機関や相談員への相談 ) は、制度名と数値の対応が報告書のレイアウトから一意に確定できなかったため、数値は掲載せず報告書の記述のみを引用している。
データ取得元
- 北海道 保健福祉部子ども政策局 ・ 道内の子どもの貧困の現状 子どもの生活実態
- ひとり親家庭生活実態調査 報告書 ( 2022年 ) ・ 北海道 / 北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター